絵画研究1 テンペラ|ムサビスクーリング

ボッティチェリ模写 備忘録

ずっと前からやってるブログBorn To Lose . Live To Winでは、遊び、大学、バンドなど色んな事を適当に綴ってます。ムサビ在学中の絵に関する記事はこちらのサイトにコピペして行こうと思います。大切だと思い書きとめても、遊び等の記事に埋もれ見返さないんじゃ意味ないからさw

August 14, 2019投稿の記事

大学(武蔵美)スクーリングの話。

絵画研究1 テンペラ画 8/6~8/11 6日間

学生は80人くらいいました。人気です。絵画研究2に引き続き「絵画組成研究室」の先生です。川口先生、小尾先生、中尾先生、柿沼先生、塩谷先生、他。

模写をしつつ古典技法(テンペラ)を学ぶ。

以下、忘れないよう自分のためにメモしておきます。

記事をアップロードして、数日後に仲良くさせていただいている柿沼先生に、この記事を見て頂いたら、訂正や補足のアドバイスをして頂いたので、赤字で追加しておきます。

初日

F4シナベニアパネルに下地を作っていきます。ニカワ水(接着剤)、石膏(充填剤)、水を混ぜて作ったものをなんども重ね塗り。テンションをかけて塗りました。その事により接着力が増すそうです。ハケが空気を含んでいると気泡ができちゃうので、塗る前にハケを水に濡らし絞って空気を抜きます。
ニカワ1に対し石膏1.2~1.4
3回塗る。縦横に。下の写真は塗り一回目。白くなるまで重ね塗り。あまり強くやると液体が横から落ちていき意味がないので、優しく。ある程度乾いてから次を塗る。

石膏地:基本は膠水溶液と石膏、水は地塗り塗料が濃くなった場合に薄めるため。

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絵を描く部分にマスキングをして、枠を作る準備。
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石膏に色をつける(わかりやすいように)
ホーロとか言ってた。
とにかくニカワと石膏で筆で枠を作る。ある程度高さがある方が見栄えがするらしい。

ホーロ→ボーロ 盛り上げに使ったのは、石膏地塗料にボーロを加えたもの

ボーロといってもタマゴボーロではありませんw

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あと簡単な装飾も。結構凝ったのやってる学生がいましたが、次の作業に遅れてはいけないので、僕はシンプルに。
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こんな感じ
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2日目

写します
水彩色鉛筆 カーブオテロ の茶色を使用。インプリミトゥーラ(一層目の色)に近い方がいいので。
水彩色鉛筆はアラビアゴムなどで固められている。
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インプリミトゥーラ
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お昼は学食で。カレーセット310円
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午後は描画
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テンペラ3種類(水性)
①Tempera Magra、脂分が少ない、卵黄1に対し酢(tea spoon 1~2杯)卵黄の皮は捨てる
②Tempera Grasso、脂分が多い、卵黄1に対し油脂(リンシード1、ダンマルワニス2)→酢(tea spoon 2杯)
①と②は油脂分の違い
③Temperaミスタ 卵全部使用、それにオイル(リンシード1、ダンマルワニス1)

僕の絵はGrassoで描かれているとのことなので、Grassoで。

Grasso→Grassa グラッサ

Tempera magra
・卵黄1
・酢8~12cc程度(ティースプーン2~3杯ほど)

Tempera grassa
・卵黄1
・油(リンシード1:ダンマルワニス2)8~10cc(ティースプーン2杯ほど)
・酢8~10cc(ティースプーン2杯ほど)

全卵テンペラ
・全卵1
・油(リンシード1:ダンマルワニス1)を全卵に対して等量未満

全卵テンペラをテンペラミスタって言いましたが、テンペラミスタ自体が全卵テンペラメディウムのみを指すとは言い切れないので、ここでは全卵テンペラに書き換えた方が良い。

テンペラ絵の具は不透明。

絵の具の作り方
顔料(粉)をパレットに出す。スポイトで水を数滴たらし筆で混ぜる。乳剤(卵で作ったやつ)をtea spoonで数滴たらす。混ぜる。

乳剤は数滴垂らすと言うよりは絵の具の光沢がでるまで加える

肌の色
テールベルトで下地を塗る(中間のトーン)。それからチタニウムホワイト、バーミリオン、イエローオーカー。

基本滴に線をたくさん引いて描画。線描。たて、横、斜め、形を意識して。ハッチングの様にやっていく。下の色が顔を覗かせる事で深みが増す。
筆は水彩用の細いものでやる。1、2本あれば十分。

混色は絵の具にしてからやる。粉の状態で混ぜない。

余談。モネは白を不透明にしたかったからワニスを使うのをやた。それは当時タブーなこと

3日目

描く!作った絵の具は直ぐ乾くし。こりゃ大変だー。でも楽しい。
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学食ラーメン250円( ^ω^ )
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だんだん雰囲気出てきた。
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4日目

描く。腕鎮 (ワンチン)を使うと便利。
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5日目

一日かけて金箔貼り作業

400番でサンディング
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描画の面をマスキング。ボーロをニカワで溶いたものを枠に塗る。3~4回塗る。塗ったら10分放置。
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乾いたらメノウ棒で磨く。ツヤが出る。
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マスキングを剥がす。カッター使わなくても取れた。
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金箔貼りはアカシ式(日本)とイタリア式があって、僕はイタリア式でやった。

全体を貼ったらコットンで軽くたたく。次にメノウ棒で磨く。晴れていない部分は2回目をやる。

最終日

完成
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硬めのスポンジで金箔部分をこすりアンティーク調にしました。金箔貼りにムラがあったので、逆に汚くしてごまかしたとも言います。w

葉脈は金の顔料を使いました。研究室でちょっともらった。

メモ
・補色は沈む
・緑の上に赤をのせると色は沈む。だけど、白を入れると沈まない
・バーントアンバーとコバルトブルー(ウルトラマリンでもいい)でいい感じのグレーができる
・形を感じるハッチング
・髪は大きな形(かたまり)でとる
・油彩は透明度高い。テンペラは不透明
・絵の具の寿命は展色剤の寿命。テンペラは退色し無い。展色剤を使わないので

テンペラは体色しないのは、おそらく乾性油の変色の影響がないと言うことでしょうか?展色材とは顔料に混ぜて絵具にする接着剤のことを指すので、テンペラ絵具の展色材は卵になります。

・テンペラの白は油彩の白に比べだんぜん発色が良い。基本油彩画で白だけテンペラにするのもある。混合技法。
・油彩画に水彩は使えないけど、テンペラは使える。テンペラは水で溶くけど、卵に油分が入っているのでなじむ。
・石膏のことをジェッソという
・歴史。テンペラ→混合→油彩

講評
僕の作品。模写としては良いとは言えない。タッチが力強すぎ。だけど技法としてはあり。だから自分のオリジナル作品でいかせたら良い。
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初めてとしては上出来です。絵の具とはどういうものなのか、絵画の歴史など知れてよかったです。
川口先生といつも喫煙所でいろんなお話が出来て楽しかった。そしてためになりました。僕の好きなモネの話もして下さいました。モネは、数百年の伝統をぶっ壊すというとんでも無いことをしたんだなあと改めて思いました。モネが好きなのは構わないけど、絵画のルーツを知った上でモネを見るとさらにいいよと言うことですね。AC/DCが好きならRolling Stonesそして黒人ブルースやロックンロールを知った方がいいと言うのに似てます。

絵画組成研究室の本が出版されたので買いました。今回の古典技法が書かれています。授業受けた後に読んだら理解が深まりそうです。
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最終日の帰り際、川口先生にサインお願いしたら、ちょっと待っててと言ってさささ~っと書いてくださいました。うれしかったです。フィクサチーフしなくちゃ。
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連日居残って描いてました。それだけハードな内容でした。それでも5日目の夜は仲の良い先生と飲みに言ったんだよな~ まあ、それも絵の授業ということでw

連日猛暑でつらかったですが、先生や助手さんや仲良くしてくれた学生仲間のおかげで毎日楽しかったです。これで夏スクは終わりです。ホッとする反面、ちょっと寂しい気もしています。

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