油絵を板に描く為の下準備(支持体に地塗り)の続きです。今回は初めて実際にやってみました。忘れないようにメモしておきます。参考になれば嬉しいです。
それではスタート(○·ω·)ノ
世界堂で買ってきました。天然白亜(700円)、チタニウムホワイト顔料(825円)、兎膠(1,500円)
前膠をする
「前膠とは?」については油絵を板に描く為の下準備(支持体に地塗り)を参照して下さい。
膠と水で膠水を作ります。分量は膠1に対して水10。今回はA4とB5、2枚の支持体なのでこれで十分(膠20g、水200cc)。初めてなのでちょっと多めにしました。入れ物はなんでもいい。写真の入れ物は100円ショップ。
水を入れるとだんだんと膠が膨れてきます。そのまま放置します。今回は7時間放置しました。技法書には半日とか書いてありました。要するに直ぐには使えないということですね。時間がかかります。午前中に作業したいのなら寝る前にやっておくのがいいと思う。
7時間後。湯煎します。オケにお湯を入れます。60℃をキープ。直ぐに冷めちゃうのでヤカンに熱湯を入れておいて温度が下がってきたらお湯を足します。ちなみに写ってるニャンコはSimba、通称シンシンです(アメショー男子)何事にも興味津々。温度計は100円ショップ。
ヘラで泡立たない様にゆっくりかき混ぜます。ヘラは家にあったプラスチック製のもの。
前膠完了。ハケは家にあったのを使用。毛の柔らかい水性用のハケです。ちなみに表面だけじゃなく裏面もやりました。
前膠を両面やる時は裏面からやるのが良いです。
地塗り液を作って支持体に塗る
前膠を乾かします。だいたい30分くらいで乾くので(シナベニヤパネルの場合)そしたら地塗りです。
まずは地塗り液を作ります。前膠で残った膠水を使います。A4とB5の2枚なら100ccもあれば十分とのことです。残っていた膠水は150ccくらいあったので50cc捨てて100ccにします。白亜節約のためですw。捨てる分の膠水は、ゴミ箱にあった納豆の容器に入れます。(時間が経つと固まるのでゴミ箱に捨てられる)
どれくらい白亜を入れるのか?
膠水1に対して1.4容量の白亜を入れる場合、そこにチタニウムホワイトを入れるなら膠水1:白亜1.2:チタニウムホワイト0.2といった具合です。なので、膠水の量を計って白亜&ホワイト顔料をいれればいいんです。または膠水の入った容器に直接、白亜&ホワイト顔料を入れるやり方もあります。容器の中心に手で少しずつパラパラと入れて行きます。(焦って早く入れるとダマになるので、ゆっくりゆっくり!)膠水の中でこんもり山の様に貯まる様に。山の頂点が水面から出てきたら約1.4倍、水面の上にこんもり丘になるぐらい白亜が溜まったら約2倍。
今回は手でパラパラ入れる方法でやりました。だいたい約1.4倍を目指して。
1.4より少し多めにしました。これくらいならOK範囲だと思う。
ゆっくりかき混ぜます。温度が下がったら60℃キープの為にヤカンのお湯を足します。
何重にも塗りました!ちなみに裏面は塗りませんでした。裏面も塗る人もいます。裏面は前膠だけで十分という人もいます。作家さんや作品によって考え方は様々みたいです。今回僕は、厚く塗ってみたかったので、液体を厚く乗せてベニヤの木目が見えなくなるイメージでやりました。
塗るコツ
- 何層にも塗り重ねる場合は、縦方向で全面塗ったら、次は横方向で全面塗る。縦方向と横方向の塗りをミックしない。自由にいろんな方向で塗らない。1回の塗りで一定方向で全面、さらに交差させるように塗り広げる。
- 最初は圧をかけて塗って、だんだんと力を抜いていく。
- 塗りは薄く一層だけでも大丈夫。好みです。
- 硬くなってきた地塗り液を無理矢理ハケで伸ばそうすると凸凹がになりがち。そうならないように湯煎で塗り広げやすい粘度にする。(お湯が冷めてくると硬くなって行きます)
- 地塗り液はすぐ固まり出すので、塗りは手早く
たっぷり塗ったので側面にたれました。直ぐに乾いたのでヘラで削ぎ落とします。簡単に取れました。
地塗り2枚終了!シンシンに椅子を取られましたw。
塗り終わったら、この日の作業は終了。完全に乾くまで待ちます。
仕上げ(紙ヤスリがけ)
完全に乾いたら紙やすりで表面をツルツルにします。表面が濡れていたらまだです。濡れもなくなり軽く叩いて乾いた音がしたら、紙やすりGO!
その前に大事件発生( ◎ Д ◎ )ホヘー
一晩乾かすのに普段ニャンコ達が登らない場所に置きました。なのに2枚のうちの1枚がこんな事に!もー誰ですか〜????多分シンシンです。ウケる(≧▽≦)☆ もうひとりのニャンコはペルシャなので多分違う。ペルシャのティモ君は高いところがそんなに得意じゃないから。ちなみに怒ったりしませんよ〜。足あとカワイイw
これをどうするか?、、それはひとまず置いといて無事だった方をヤスリがけ。紙ヤスリは400番。世界堂で1枚55円。100円ショップにもあったよ。
ヤスリがけして仕上げにウエスで軽く磨いて終了。結構上手にできた!表面ツルツルです。
地塗り液塗りたては、ボコボコだなあと思ったけど、翌日乾いたら意外と平だった。そして紙やすりでツルツルです!成功と言っていいと思います。
地塗り作業も疲れたけど、この記事書くのも結構疲れた。笑
ふぅ、お疲れさまーヾ(*’▽’*)ノ
今回やるにあたっては、卒業してからも仲良くさせて頂いている武蔵美の先生に何度もメールで質問しました。毎回丁寧な回答をして頂いたので、本当に助かりました。ありがとうございました!
補足
Q:前膠は支持体の側面もやるのか?
A:やる人もいれば、やらない人もいます。武蔵美のある先生によると側面は水分を逃すために塗らないとのこと。(前膠しないので地塗りも側面にはしない)ただ、側面まで描画する人や見栄えを気にして塗る人もいるようです。布を張り込んでいたら、もちろん塗ります。(側面から裏面まで張り込むので)。というわけで人それぞれと言ったところでしょうかね。
〜おまけ〜
おっとりティモ君
コメント
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[…] 【実際にやってみた】油絵を板に描く為の下準備(支持体に地塗り) […]