作品制作に関する日記ではありません。
コロナ社会になって4回目の電車外出。代官山のギャラリーへ行って来ました。ムサビでお世話になった山本あき先生の個展です。ちなみに、お世話になったから義理で行ったわけではありません笑。先生と先生の作品が好きだからです。個展には毎回足を運んでいます。
以前はバンドやサーフィンやデザインに夢中で絵画なんて好きじゃなかった。その理由は「この作品にはこんな社会へのメッセージがある」とか、「生きるとは何か見る人にうったえかける作品だ」とか、この技法や技術を見ろ!凄いだろ!的な自慢とか、その絵を理解するのに知識や絵の教養がないと楽しめないとか、いちいちお説教じみた感じや突き放されるイメージがあったからだと思う。絵画全部がそうというわけじゃないけど、実際そういうのは多いような気がする。
だけどモネを初めて見た時、わー綺麗だなぁ。なんかいいなー。と純粋に感動した。モネの絵からは何のお説教も感じなかった。モチーフも風景なので分かりやすい。後にモネが生前に、こんな事を言ってたのを知った。
「人は私の作品について論議し、まるで理解する必要があるかのように理解したふりをする。私の作品はただ愛するだけでよいのに。」
モネは凄い人だと思いさらに好きになった。達人は凄い技術を使ってもそれを感じさせないし、押し付けない。そういった意味では、僕が大好きなAC/DCとモネは同じだと思う。
そしてあき先生の作品も同様に何か凄い事をしてるのかもしれない。しれないとしたのは、今の僕には全くわからないから。言えるのは、綺麗な作品でお説教がない。いつまでも見ていられる。あき先生も見るものに多くを求めない。いいなぁとか思ってもらえばそれで良いみたいな感じ。
僕もそういう絵(理屈なんて分からなくても良いなと思える絵)が描きたい。頑張ろう。久しぶりに先生とお話しがたくさん出来て楽しかったです。
あき先生は、ムサビに入学して絵の具で絵を描く最初の授業の先生です。
今でも覚えてる言葉
「私は先生としていろんな事を言うけど、先生の言う事をそのまま鵜呑みにする必要なんて無い。聞きたくなければ聞かなくたっていい。だいたい私は作家としてたいしたことないから大学の先生なんてやってるんだから。先生のアドバイス通りに上手に描けるけど、自分がないような学生にはなって欲しくない。」
僕が今こうして絵を描くようになったのは、最初が山本先生だったからかも知れない。小難しい事ばかり言う先生だったら「やっぱり絵画の世界は小難しくて性に合わないや〜」と思ったに違いない。
人生は出会いが大事。ちょっとした出会いで人生が変わることもあるんだから。モネとあき先生には感謝しています。ありがとう。
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