油絵の具|ホワイトの使い分け

油絵の具|ホワイト各種 備忘録

油絵の具のホワイトは一番使う色と言っていい。直接キャンバスに塗る事はほとんど無いけど、混色で絶対に必要。

画材屋さんに行くと色んな種類のホワイトがあって迷います。絵の具メーカーのカタログには説明が載っているし、ネット検索すればたくさんの情報を入手出来ます。似たようなことが書いてあったり、若干人によって違ったり。どういった絵を描くかや、好みにもよるんでしょうね。それにしても僕のような初心者は困ってしまいます。(;´・ω・)ウーン・・・

そこで、僕はムサビの講師で現役プロの作家さんに聞いてみました。とても信頼しています。
(参考にする方。あくまでも個人の意見ですので、その辺をご理解くださいね)

ホワイトの使い分けは、それぞれの絵具の特性から、白さ以外にもいくつかある。
シルバーホワイト、チタニウムホワイト、ジンクホワイトがオーソドックスな白。

Titanium White

3種類の中で1番強い白さが得られるのはチタニウムホワイト
下の色を覆い隠す力(隠蔽力・いんぺいりょく)が強い。強い白が欲しい時に使えるが、混色する場合は、もう一方の色を食ってしまい、すぐ白っぽくなる。ただ経年での変色がない白として好む人もいる。

また、テンペラの白にはチタンの強さが効く。当時はシルバーホワイトでテンペラをやっていたと思いますが、毒性のシルバーホワイトの顔料に比べてチタニウムホワイトは扱いやすいという理由もあり、私はテンペラはチタニウムホワイトを使います。

Silver White

シルバーホワイトも隠蔽力が強いが、チタニウムホワイトほどではない。
古典技法でよく使う理由は最も古い白として数世紀にわたり使われ続けたから。乾燥も早く、下層描きから上層描きまで使え、厚塗りにも向いてる。ただ、経年で変色する傾向がある。

シルバーホワイトの顔料である鉛白(重金属で有毒)に油の乾燥を促す力がある。それを乾燥促進剤として油に混ぜて加熱したオイル(ブラックオイル)もあるくらい。
とは言っても、1日でカラッと乾くわけではないので(描いている環境にもよるけど)
スケジュールがタイトな大学のスクーリングでは、乾燥速度に特化したシルバーホワイト・クイックを使ってもらっています。私は普段クイックを使うことはないです。

※有毒性について、詳しくはメーカーのサイトをご参照ください。
ホルベイン
クサカベ

私が油彩でシルバーホワイトを使う理由は、しっかりした白だけども強すぎず、乾燥が速く、下層のから上層まで、厚塗りにも薄塗りにも適しているから。混色も画面上でジワジワと狙った色が出しやすい。あとは、厚塗りする際にその粘度をいかして油彩特有の画面が作りやすいから。

Zink White

ジンクホワイトは青みがかった白として、混色に向いていて、綺麗な発色が得られる。他の白に比べると隠蔽力は弱い。
また、乾燥に時間がかかることなどから、下層描きや厚塗りには適していない。ひび割れの原因になりえる。上層ではその冷たい白を生かした表現ができる。


他の白はあまり使ったことないのでわからないが、パーマネントホワイトはなんとなくチタニウムホワイトとシルバーホワイトの間の特性ってイメージ。


という事でした。

というわけで、シルバーホワイトをメインに使っていこうと思います。ポイントでジンクホワイト。納期があるわけじゃないのでクイックは使わないかな。あとは実際に色々とやってみないと分からないよね。人それぞれ描く絵が違うわけだから。基本知識や個人の意見をプロの作家さんから聞けた事はとても貴重です。ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました